髪が乾燥していると表面のツヤも失われ、見た目までパサパサと老けた印象になります。
普段のケアで改善が見込めるので、トリートメントを中心に乾燥対策を行いましょう。
うるおったツヤ髪も夢じゃありません。
油分が減少すると髪はパサパサになります。
「髪がパサつくな~」と思うとき毛髪の内部では一体なにが起こっているのでしょうか?
もともと毛髪は水分と油のバランスでうるおいを保っています。
この油分が減ると、毛髪は水分を抱え込むことができなくなります。
したがって髪が乾きやすくなってしまう状態にあるということなんです。
あつさん
肌に置き換えて考えてみると、確かに油分が足りていないと乾燥してカサカサしてきます。
水分だけでなく油分が必要なのは髪も肌も同じのようです。
では、なぜこのように髪のうるおいが失われてしまうのでしょうか?
それには様々な要因があります。
髪の構造ってどんな風になっているの?
髪の乾燥を予防するためには、まず髪の構造から知っておくと良いでしょう。
上の図のように、髪の大部分は「コルテックス」と呼ばれるたんぱく質でできていて、ここに水分が貯められています。
一番外側は名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、「キューティクル」と呼ばれる薄い膜で覆われています。
キューティクルは水分が外に逃げないようにする働きがあります。
ですが、ダメージを受けてキューティクルが剥がれてしまうと、水分が外に逃げていってしまいます。
これが乾燥してパサつく一つの原因となっています。
このようになった毛髪はタンパク質も流れ出してしまい、細い髪質になりがちです。
「最近髪が細くなったな」と感じている人はこれが原因の可能性もあります。
また、キューティクルは、髪を外部刺激から守り、見た目の美しさを出す役割を持っています。
魚のウロコのように何枚も重なりながら髪の外側を覆っていて、健康な髪とは上の左側の図のように、そのウロコ模様がきれいに整っている状態なんです。
反対に傷んだ髪はウロコ模様が乱れた状態なので、手触りもざらついています。
キューティクルの色は無色透明です。
髪内部にある水分や栄養分もこのキューティクルによって守られているので、キューティクルがダメージを受けて剥がれたりすると、内部の水分や栄養分が流れ出てしまい、乾燥につながってしまうのです。
ちなみに、天使の輪と呼ばれるものは、キューティクルの表面が整っているとくっきりできます。
髪がパサパサになる原因
髪を洗うときにシャンプーを泡立てずに洗う
髪を洗うときシャンプーをあまり泡立てないで直接シャンプー液を髪につけてしまうと、髪の毛同士がこすれてしまい、キューティクルがめくれてしまう可能性があります。
特に洗髪中は髪が濡れているので、キューティクルがめくれやすいと言われています。
キューティクルがめくれてしまうと、そこから髪内部の栄養や水分が抜けてしまい、髪の乾燥を引き起こしてしまうとされているのです。
また、「ラウレス硫酸Na」や「ラウリル硫酸Na」といった石油系界面活性剤を含んでいるシャンプーや、アルカリ性で洗浄力が強いせっけん系のシャンプーを使用すると頭皮のバリア機能を破壊し、乾燥の原因になることもあります。
ドライヤーやヘアアイロンをあてすぎる
髪の毛のキューティクルは熱に弱い性質があるとされています。
ドライヤーやヘアアイロン、コテなどでキューティクルが長時間熱を受けると、キューティクルがめくれて水分が失われ、髪内部が乾燥してしまう場合があるのです。
また、キューティクルがめくれてしまうと、髪内部に熱風や熱が直接あたってしまうので、さらなる乾燥につながることもあります。
濡れた髪を自然乾燥させている
熱で髪を乾燥させないようにと、髪を自然乾燥させるのもおすすめできません。
髪は濡れているとキューティクルが剥がれやすくなります。
自然乾燥している間、全く頭を動かさないのは難しいですよね。
ちょっと移動しただけでも、髪の毛同士が擦れてキューティクルがめくれ、その後乾燥してしまうことも考えられます。
紫外線やほこり
外に出ると、紫外線、ほこり、化学物質など、髪に悪影響を与えるものがたくさんあります。
紫外線はキューティクルを破壊しますし、ほこりなどが髪に付着すると水分を吸い取ってしまい、髪が乾燥します。
帽子で対策も良いですが、むれると汗と皮脂で毛穴の詰まりの原因になってしまいます。
汗に含まれる塩分も、髪の水分を吸い取って乾燥させてしまいます。
一日の終わりには必ずシャンプーをしましょう。
髪に付いたほこりや化学物質、汗や余分な皮脂はその日の内にしっかり洗い流してください。
栄養不足
髪がパサパサになってしまうのは、外的要素だけが原因ではありません。
偏った食事を続けて栄養不足になると髪に必要な栄養分が届かず、ダメージや乾燥の原因になってしまいます。
髪の乾燥を防ぐには、体の内側から改善する必要があることも覚えておきましょう。
髪の乾燥を防ぐために、しっかりヘアケアを行っていても、髪に栄養が行き届いていなければ、望むような結果が得られないこともあるでしょう。
栄養不足や血行が悪くなることで、髪に栄養が不足すると、髪の乾燥の原因になる場合もあります。
もし髪の乾燥対策をしているのに、望むような結果が得られなかったり、上記の髪の乾燥の原因に思い当たる節がないのであれば、髪の栄養不足が乾燥を招いているのかもしれません。
髪の乾燥対策とは?
シャンプーを十分に泡立てて洗髪する
シャンプーを泡立てる際に、髪同士が擦れてキューティクルがめくれないように、シャンプーをするときは、手でシャンプーの泡をモコモコになるまで泡立て、摩擦が起きにくいようにしましょう。
シャンプーは、基本的にワンプッシュが適量です。
なお、髪が絡まった状態だと、余計に摩擦が起きやすいので、入浴前に髪をブラシでとかしておくと良いでしょう。
また、シャンプー前にシャワーで予洗いするようにしましょう。
髪に汚れが多いとシャンプーが泡立ちにくくなるのですが、シャワーでしっかりと流すだけでも、ある程度の汚れが落ちると考えられています。
栄養バランスのよい食事と規則正しい生活を心がける
偏食や無理なダイエットなどで栄養バランスの悪い食生活を続けると、髪も栄養不足になり、髪と深い関わりのあるタンパク質やビタミン、ミネラルが不足してしまう場合があります。
栄養の行き届いてない髪は、乾燥などの影響を受けやすくなってしまいます。
栄養バランスの良い食事を心がけ、髪の成分であるタンパク質が摂れる肉や魚、卵やミネラル分などを意識的に摂取してみましょう。
また、冷えやストレスは血行を悪くし、髪に栄養が届きにくくなってしまう場合があります。
温かいものを飲むなど冷え対策をしながら、規則正しい生活をして血行を良くし、髪まで栄養が行き届くようにしていきましょう。
髪にオイルやミルクをつける
髪が乾燥してしまった時は、オイルやミルクで保湿をしましょう。
乾燥した髪はまとまりが悪くなり、スタイリングが思うように決まらなくなりますし、枝毛や切れ毛が発生しやすくなります。
自分の髪の状態に合わせてオイルとミルクを使い分けましょう。
髪の乾燥対策には洗い流さないトリートメントが効果的です。
オイルやミルクは、洗い流さないトリートメントとして使われ、どちらもシャンプー後の濡れた髪、乾いた髪にも使うことができます。
オイルタイプのメリットとデメリット
オイルの成分は、植物性・動物性のオイルを主成分にしています。基本的に水は一切含まれていません。100%オイル成分だけの商品もありますし、さらに乾燥した髪を修復する成分や香料などを配合した商品があります。
オイルタイプは、どちらかというと髪表面の乾燥を保護します。キューティクルがめくれて乾燥した髪にはメリットが大きいです。また、髪の艶をしっかりと出せるのは、オイルのメリットでもあります。
しかし、オイル成分が多いため、付け過ぎるとどうしても髪がべたつきやすくなり、埃が吸着したり、重い仕上がりになったりするのがデメリットです。
オイルタイプは、髪に艶を出したい、毛量を抑えたい、キューティクルのダメージを広げたくない、という方におすすめです。
ミルクタイプのメリットとデメリット
ミルクの成分は、水を主成分にしています。水とオイルを乳化させているのがミルクタイプです。そこに保湿成分のグリセリンや修復成分や香料などを配合して、乾燥した髪に潤いを与えます。
ミルクタイプは、オイルほどべたつくことがなく、髪表面の乾燥を抑え、サラッとした使い心地がメリットです。また、ほど良くオイルが配合されているので、自然なまとまり感が出るのがメリットです。
ミルクは水が主体ですので、キューティクルを開き、髪を修復する成分を水分と一緒に届けられるのもメリットです。
しかし、ミルクは水分が多いので、髪に塗った後、ミルクの水分が蒸発するときに、若干髪の水分も一緒に奪う可能性があるのがデメリットといえるでしょう。
乾燥に最適なのはどっち?
毛先にはオイル!
水が主体のミルクタイプに比べて、オイル成分が主体のオイルタイプのほうが、乾燥から長時間髪を守るといえます。オイルは水が入っていないので、揮発することがありません。
ご自身の髪の乾燥度合いで決めるのも良いです。もし、相当乾燥していると判断すればオイルタイプがおすすめです。
またカラーやパーマで、水分が抜けて乾燥しきってしまった毛先にはオイルが最適です。
ワンレングスや前髪パッツンのヘアスタイルには天使の輪が欠かせませんよね。その場合も、うっすらオイルを撫でつけると、乾燥対策もスタイルもバッチリです。
髪全体ならミルク!
髪全体の乾燥が気になっているなら、ミルクを使ってみて下さい。オイルに比べて軽い仕上がりですので、髪の長さに関係なく乾燥対策として使えます。
髪が多くて全体のボリュームダウンをしたい方で、オイルでは重すぎると感じたら、ミルクを髪表面に塗ってみて下さい。サラッとまとまりのある髪になります。
また、同じ髪でも、根元から近い部分は比較的潤っていても、毛先にいくほど乾燥度合いが進んでいることが多いものです。
そんな時は、毛先のみオイルを使い、髪全体はミルクで保護する、というように上手に使い分けて下さい。
シャンプーで髪の乾燥を防ぐ
ドラッグストアなどで手軽に買える市販のシャンプーは洗浄力が強く、髪や頭皮に負担をかけ、乾燥させる原因にもなります。
そこでおすすめしたいのが、アミノ酸系シャンプーです。
アミノ酸系シャンプーは、適度な洗浄力で低刺激で、保湿力が高く、多くのサロンでも愛用されています。
ボトルやパッケージに書いてある成分表示は、配合成分の多い順に表記されているので、アミノ酸やアミノ酸系の成分が上位にあるものを選んでください。
それでは、髪の保湿力があがり、頭皮の乾燥も防ぐシャンプーの種類についてお話していきます。
アミノ酸シャンプー
洗浄力が優しく、敏感肌や肌の弱い人、地肌に赤みがでやすい人にも使用しやすいのがアミノ酸系のシャンプーです。髪の主成分であるたんぱく質はアミノ酸で構成されているため、頭皮への負担が少なく、潤いとなる皮脂の落とし過ぎも防いでくれるのです。
ボタニカルシャンプー
無添加で知られるボタニカルシャンプーも頭皮に優しく、刺激が少ないシャンプーです。植物由来成分を多く含んでおり、洗浄力も優しいのが特徴です。
スカルプシャンプー
頭皮の状態を健康に保ってくれることに優れているのがスカルプシャンプーです。頭皮を保護し、髪にハリやコシを与えてくれます。
オーガニックシャンプー
ボタニカルシャンプーとの違いは、植物以外の自然由来成分を含んでいることです。オーガニックシャンプーも自然派で洗い上がりが優しいため、敏感肌の人も安心して使用できます。
植物性オイルシャンプー
頭皮の洗浄効果もあるオイルシャンプーは髪にも潤いを与え、保湿効果に優れています。どんなシャンプーを使用しても頭皮の乾燥が気になる場合は、オイルとの相性を試してみてください。
シリコンシャンプー
最近では、ノンシリコンシャンプーが話題となっていますが、シリコンは髪の表面をコーティングし、保護する役割があるため、ノンシリコンシャンプーに比べしっとりした仕上がりにしてくれます。髪が細く、絡まりが気になる場合はシリコンシャンプーでまとまりやすくなることも。一概に「シリコンシャンプーが髪に良くない」わけでは決してありません。
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